マクロビオティックとは? すぐわかる基本

こちらのページで、基本的なことやマクロビオティックの基礎・背景についてご紹介します。

「お料理」のイメージが強いと思いますが、お料理以外のことも全体的に理解するとすぐに応用できるようになります。

言葉の意味は?

macro マクロ 大きい

 +

vio ビオ 生命

 +

tic ティック 術・学

 

= Macrobiotic (Macrobiotique)

 

を合わせた造語です。「大きな視野に立ち生命を活かしていく方法」です。

「宇宙の秩序」に沿って、愛と平和に目覚める生活です。

お料理のことばかりではないのです。

食によって、自分の命を最大限に活かしていく方法。そしてそれが、「宇宙のしくみ」なのです!

 

日本では「マクロビ」と略しますが、

アメリカでは、「マクロ」と略すことが多いようです。

 

「マクロビオティック」という言葉は、戦後に使われ始めました。それまでは「食養」「正食」という言葉を使っていました。

 

マクロビオティックは、西洋医学の父と呼ばれる古代ギリシャの哲学者、ヒポクラテスの使った「マクロビオス」に由来し、18世紀後半にドイツの医師クリストフ・W・フーフェラントが食事と健康の関係について書いた「マクロビオティック長寿法」にも使われた言葉です。

具体的にはどういう方法?

【食事】

玄米(穀物)菜食です。玄米菜食は、次の要素を全て含んでいます。

 

身土不二(しんどふじ)

一物全体(いちぶつぜんたい)

陰陽調和(いんようちょうわ)

 

身土不二(しんどふじ):身体と土地は二つに分けられない、つまりその土地で採れた旬のものを食べることが理にかなっている、ということ。

 

一物全体(いちぶつぜんたい):食べ物のエネルギーをいただくには、部分ではなく全体で摂るようにすること。加工・精製しすぎないことが良い。皮をむいたり、アクを取ったりせずになるべく丸ごとを調理して食べます。

 

「食」とは、「生命エネルギー」=氣(気)を得る行為です。

ただお腹をふくらませるだけでは、「元氣」がなくなっていきます。

生命エネルギーに満ちた食べ物は、ついさっきまで生きていたものです。

白米は玄米から糠の部分を取ってしまった物です。玄米はまけば芽が出ますが、白米は芽は出ません。生命体としてはもう死んでしまっており、お腹をふくらませる効果しか期待できません。

生命エネルギーに満ちた玄米食をしていると、見違えるほどパワーがあふれてきます。体の機能が正常化し、不要なものは排出し、パフォーマンスも最高になるのです。

ただし人や季節によっては、玄米では陽性すぎる(重すぎる)場合があります。分搗き米など、少し精米してもう少し陰性にしたり、陰性のものを食べて調和をとるようにします。

 

 

陰陽調和(いんようちょうわ):「陰」「陽」のバランスをとり「中庸」を心がけること。

この世の物には全て陰陽があります。

食材にも、食べる人の体質にも、季節やコンディションによって陰陽があります。それを調理によって陰性にしたり、陽性にしたりして、調和をとるのです。(無双原理:むそうげんり ともいいます)

 

▽陰とは、広がる・拡散のエネルギー

▲陽とは、集まる・凝縮のエネルギー

 

なんだかムズカシそー!と敬遠しないでください♪

料理で言うと、「おいしい」と感じれば調和がとれているからオッケー。

「ちょっと味が濃い」という時は自分が陰性で;食べ物が陽性

「ちょっと味が薄いな」という時は自分が陽性で;食べ物が陰性 なんですね。

 

これを応用すれば、出来事に合わせて体調を整えたり、人間関係に生かすこともできるので、すっごいおもしろいんです!

「陰陽のものさし」(桜沢さんは「魔法のメガネをかけて物事を見る」と表現しています)で森羅万象を見ると、なんでもわかっちゃってなんでも解決できちゃう!

 

例えば

★ 陰性の人が、力仕事など陽性さが必要な時には、陽性のものを食べて陽性にする。

★ 陽性の人が、頭脳労働など陰性な仕事をする時には、陰性のものを食べて陰性にする。

 

★ 陽性の人陰性の人に対応する時は、強引にならないように注意する。

★ 陰性の人陽性の人に対応する時は、陽性さを取り入れて陽性になって対応する。

 

★ 社会情勢を見る時も、発展、拡大は陰のエネルギーなので、いつまでもは続かない。極まれば陽となる。また収縮していく、と見ることができる。

 

と言った具合です。難しそうに見えて、実はカンタンなんですよ!

 

専門的で難しいことについても、そのことに関する詳しい知識がなくても、概要をつかめば直観で理解できるのです。

誰が考案したの?

桜沢如一
桜沢如一

桜沢如一さん(さくらざわ・ゆきかず またはじょいち。海外での活動名はジョージ・オーサワ

1893(明治26)年ー1966(昭和41)年

 

桜沢さんは結核で体が弱かったのを克服するため、日本伝統の「食養」(食養生。これを提唱したのは石塚左玄。「正食」ともよぶ)で健康を回復しました。食養をベースに、東洋哲学(易の陰陽論)も取り入れた健康法・生き方として系統立てました。

海外にも進出し、精力的に普及しました。海外での活動のスタートはフランスだったそうで、「Macrobiotique」はフランス語表記です。

 

桜沢さんは世界平和のためにも尽力しました。

日本の伝統的な食文化が健康と平和の源であるのに、日本は明治以降西洋化していき、敗戦後はさらに止められない流れでした。桜沢さんは世界平和のために西洋にマクロビロティックを普及し、日本に逆輸入されることで日本人に自国の文化を再認識させようと考え、アメリカ、南米、ヨーロッパなどで弟子が活躍しました。

 

アメリカから逆輸入という形で日本に広まったので、アメリカ発祥と思われるかもしれませんが、

実は日本発祥なのです!

日本人、スゴいな。

 

そして、桜沢さんの世界的視野に立った先見性と行動力はすごいですね。マクロビオティックにはすごい力があるんですね!!

 

日本CI協会のページより  http://www.ci-kyokai.jp/sakurazawas.html

参考:マクロビオティックムーブメント 日本CI協会